配信ドラマ探検記 昭和オヤジがネトフリ・アマゾン・その他の密林を征く

配信ドラマを見て批評したり感想を言ったり、ツッコミを入れたりボケたりします。

「ダーク」ネトフリ100本チャレンジ#20

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DARK Netflix
先日、家族で買い物に行くため妻の運転する軽自動車に乗っていました。
カーステレオ(今でもカーステレオっていうのか?)からは
大体いつもPerfumeが流れており、娘ハー子(仮名・6歳)はいつも
てきとーな歌詞で一緒にくちずさんでおります。
その中で「未来のミュージアム」という曲があるのですが
ワタクシが「通販の曲みたい」だというと
父の慧眼(?)に娘が喜んでおりました。
(サビの♪ ミュージアムミュージアムというところが
♪ ジャーぱねっと、じゃぱねっとと似てる?)
 
それで調子に乗って
「小学生の時、音楽の時間に『ペルシャの市場から』という曲を聴いていたら
『♪ ゆーゆーゆーずき 食べましょう』というCMの曲に似てる!と
クラスで評判になった」
という話をしたところ、娘は両方とも知らない(当たり前か)のに
なぜか激しくウケておりました。
 
ワタクシの小学生時代というと
もう50年ぐらい前の話ですね。愕然…。
 
 
「ダーク」2020年 ドイツ (3シーズン)
出演 ルイス・ホフマン オリバー・マスッチ
   ヨルディス・トリーベル
原作(Create) バラン・ボー・オダー ヤンチェ・フリーゼ
監督 バラン・ボー・オダー 脚本 ヤンチェ・フリーゼ他
 
ネトフリ100本チャレンジようやくの20本目は
ドイツ製作の「ダーク」であります。
早速いつものように予備知識なしで見始めました。
7、8年前に見ていた北欧ミステリー(「キリング」をビデオ屋で借りて見てました)に
作品のトーンが似ています。いいですねー。ミステリー好きです。
 
陰鬱な森の向こうに原発の原子炉の煙、
失踪した男子生徒の張り紙。
主人公ヨナスの父ちゃんが首を吊り
意味ありげな洞窟に向かう子供たち。
 
…しかし、画面も物語も登場人物も考え方もみんな暗い。まさに「ダーク」。
ずっと脳天気な「ダイナスティ」見てたので
あまりの世界観の違いにめまいを感じつつ、見進めて行くと
だんだんすごいことになってきます。
洞窟を通り抜けるとそこはー
「え?!」
 
改めてネットフリックスの作品紹介を見てみると
 
ドイツの小さな田舎町で起きた子供の失踪事件をきっかけに
ほころび始める4家族の絆と暴かれる暗い秘密。
3世代にわたる奇怪な謎の真相が、今明らかになる。
 
だし、ジャンルも
「ドイツ・TVミステリー・犯罪テレビ番組・ドラマ」
になっているが、どうもミステリーではないらしい。
 
明らかにSFじゃん。タイムトリップもの。
(「バックトゥフューチャー」と同じジャンルだが
ここまでトーンが違うのも珍しい…)
 
ひょっとしてこれを「SF」と書いただけでネタバレになるんでしょうか?
まあいいや。書いちゃったし。
 
最初の方のあらすじとしては
 
父ミハエルの自殺にトラウマを抱える少年ヨナスは
町外れの洞窟で奇怪な出来事に会う。
その時一緒だった隣家の少年ミッケルが失踪。
ミッケルは気がつくと33年前の街にいて途方に暮れる。
ヨナスもまた誰かに導かれるように洞窟にタイムトンネルを発見、
33年前の世界を体験する。
 
という感じでしょうか。
この辺から現代にいる4家族と、33年前の4家族が交互に描かれて
ぱっと見ではだんだん人物が識別できなくなり、
ストーリーが分からなくなってきます。
 
仕方ないので一旦ネットフリックスを止めて
「人物相関図」というか「家系図」を作りました。
(「ミハエルの息子はヨナス」とか)
これぐらいしないと理解できなくなってしまうのであります。
…なんでこんな苦労までしてみなくちゃいけないのか
よくわからないが。(面白いけど)
 
ただ、キャスティングは見事です。
現代と33年前の同一人物が一致するような
「(なんとなく)似ている」役者が振り当てられていて
キャスティングディレクターはさぞかし苦労しただろうなあと感心しました。
 
こんな作品撮るような監督は絶対性格細かいヒトだから
せっかく似てる役者連れてきても
「身長があと2センチ欲しいな」とか
「似てるけど芝居が下手」とか文句つけられて
苦労したに違いない…。想像ですが。
 
さらに舞台はおじいさんの代の時代、66年前(1953年)にまで
遡り、時間旅行する人物も増え、見てる方はまた混乱。
そしてヨナスが今度は未来(2053年)へ行くー
というところで第1シーズンが終わります。
 
おもしろい。面白いけど、みるのが大変。
ちょっと油断してると人間関係が分からなくなり
なんで怒ったり泣いたりしてるのか理解できなくなってしまうのです。
(正直、理解できないシーンもたくさんあったような…。)
 
そして第2シーズン。
現代(2020年)過去(1986年)未来(2053年)が並行して描かれ
さらにもっと過去も登場。
未来を変えようとするヨナスと、時間を行き来する謎の勢力のたくらみー
最初のエピソードからすると想像もしなかったような
壮大なストーリーが展開していくのであります。
(第3シーズンには時代どころか、空間まで超越しちゃうのですが
詳しいことは書けません…)
 
とにかくラストまで見ました。
タイムパラドックスの処理とか、わざとぶつ切りにして難解にした構成とかは
これでいいのかなあとは思いますが
チャレンジャーで見応えのある作品でありました。
 
時間の流れと人の想いがリアルに感じられるような
肌触りのあるSFという感じが面白いと思いました。
 
夕月かまぼこのCMの歌は33年前も流れていたのだろうか?
(どうでもいいシメでこの項終わり)

「ダイナスティ」ネトフリ100本チャレンジ#19 その③

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ダイナスティ」でのダニー・トレホ Quantrell Colbert / The CW

 

先日、飯食ってたら前歯がごそっと3本抜けて入れ歯になり
我ながらフガフガしていてジジイ感倍増の阿覧です。
 
「うまく喋れない」と歯医者に訴えたら、
「入れ歯なんてそういうものです。慣れるまで我慢してください」と言われて
思わず激怒。
「フマフ サベレナイホ ヒボホニ ヘイヒョウ ハンダホ!」
などとフガフガ文句言いながら
歳を取るってこういうことなのねと納得してしまいました。
 
入れ歯は少し薄くしてもらって、多少はましになりましたが
まだ喋りにくく、じーさんみたいでやだなと思う今日この頃です。
(じーさんなんだからしょーがないけど…)
 
老化についてはまだまだ30ページぐらい書けるのですが
ここは特にそういうブログではないので
そろそろ参りましょう。
ネトフリ100本チャレンジ「ダイナスティ」第3シリーズです。
 
(第3シリーズ)
 
ネタが尽きたのか、オリジナルシリーズと同じ構成なのかわかりませんが
もう「面白ければ何でもいい」的な雰囲気も漂う第3シリーズ。
視聴者をだまくらかした「逆転劇」のようなオチが多用され、
ブレイクが逮捕されて獄中結婚したり裁判したりします。
さらにファロンのエリザベス・ギリーズがスキさえあれば歌い出して突然ミュージカルに
なったり、屋敷で「カーダシアン家」みたいにリアリティ番組を撮り出したり
もうやったもん勝ちなはちゃめちゃさ。
 
なんと言っても白眉は19話のダニー・トレホの回。
ブレイクが海外で拘束されて、リアムとアダムとサムが助けに行くのですが、
サムのヒーローが「マチェーテ」のダニー・トレホ
サムの幻想の中ダニー・トレホ(本人)が登場して、ブレイク救出を手助けするという話。
 
ダニー・トレホ知らない人は写真見てください。
ずっと悪役とか死ぬ役をやってた凶悪な顔をしたメキシコ人で
いとこのロバート・ロドリゲスの監督した「マチェーテ」で初主演したという
強烈なキャラのジジイ…いや俳優さん。
自分がジジイだから共感するわけじゃないが
存在自体が面白くてダニー・トレホ最高です。
 
あと登場人物たちが憂さ晴らしに旅に出て、朝起きたら財布も携帯もなくて
「夕べ何が起きたんだ?」と真相を探る回というのも
他のストーリーと関わりがあまりなく、トボケていて好きです。
 
などと言ってるうちに第3シリーズが割とあっけなく終了。
ついに半年がかりとなった「ダイナスティ」も残すところ
第4シリーズだけとなりました。
 
続いてドンと参りましょう。第4シリーズー。
 
(第4シリーズ)
 
才能あんのにブレイク憎しに凝り固まって人生無駄にしているジェフと
陰謀大好き元妻アレクシスによって、当主ブレイクが屋敷を追い出され
わがまま娘ファロンは会社起こしたり売ったり、結婚したり、
相変わらず忙しいキャリントン家。
 
さらにこの第4シリーズ途中から、各エピソードの巻頭に
葬式シーンが入り始めます。
(視聴者の興味をあおる露骨な作戦)
最初は「4ヶ月」のテロップが入り、誰が死ぬのかわからないまま
ついには「3日前」まで行きます。
この頃にはおおよそ見当がつくのですが
どんでん返しや意外な結末が大好きな「ダイナスティ」だけに
絶対外してくると思ったら、…やっぱり。
 
ほんとにあざといヒトたちだと感心してしまいます。
 
このシリーズのスペシャルゲストは
ビッグなのかセコいのかワタクシにはよくわからないですが
4話にバックストリートボーイズのブライアン・リトレルが出てきます。
(金で釣られてリモート中継でヒット曲を歌うという設定)
 
そしてもう要約もできないほどのいろいろあって
(決して手抜きではありません)
ついに最終22話を迎えました。
 
いやー、感無量です。
しかし話は混沌としたまま。
あと1話でどうケリをつけるのでありましょう。
 
ブレイクはついに上院議員に立候補し、
最終回はその選挙集会のパーティ。
 
ヤバイ人たちがピストル持って集まってきて
 
あの人が×××(ネタバレのため自主規制)!?
 
えーここで終わりなの!?
何にも解決してないのに!?
 
慌ててネットで調べたら、もう第5シリーズ撮ってるという
続きありきのエンディングでありました…。
 
なんか肩透かしな気分ですが
次はいよいよチャレンジ20本目!
『ダーク』です。
(まだ20本目かよ!)

 

「ダイナスティ」ネトフリ100本チャレンジ#19 その②

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みなさま、新年あけましておめでとうございます
今年もよろしく
…って、
すみません。もう2月でした。
またもや長らくご無沙汰をいたしておりまして、いやはやなんとも…
 
(あれ?この年賀状2021だった!
なぜ気付かなかったのだろう。重ね重ねすみません…。
面倒なのでそのままにしときますが(!?)、2022年もよろしくお願いします)
 
最近は家人の無言のプレッシャーに耐えられず、出稼ぎの過酷な労働に従事しておりました。
寒風吹き荒ぶ相模原の山中で冬なのに楽しげにキャンプする裕福そうな人々を横目に見つつの仕事が(内容はヤバくてちょっと言えない)、
先日ようやく終了し、自宅の茨城の片田舎に帰ったところであります。
 
帰ってみると家人が家の中でもマスクをしており、聞くと
「ハー子(7・娘・仮名)のクラスにイプシロン種?(オミクロンのことらしい)の
コロナがでた」
とかいうことで同居するウメ子(81・仮名)にうつってはいけないとの
対策だそうであります。
ワタクシも「マスクをつけろ」と強要され、嫌々ながら家庭内マスクの日々を
送っているのでありますが、これって、本当に効果あるんでしょうか?
 
さてまたワタクシも無職に戻ったということで
ダイナスティ」続きに取り掛かって参りましょう。
 
ダイナスティ」シーズン2
 
相変わらずいろんなことが目まぐるしく起こり
あらすじを描くだけでも大変ですが
ただストーリーを紹介してもネタバレになるだけなので
ここでは割愛させていただきます。
 
第2シリーズで印象的なのは登場人物のテコ入れ。
当主ブレイクがよく「キャリントン家のダイナスティ(王朝)を築く」
みたいなことを言っていますが、キャリントン一族として登場するのは
ブレイクと息子スティーブン、娘ファロンの3人だけ。
そのうちスティーブンは「海外に行く」と登場しなくなるので
(明らかにオトナの事情で降板?)代わりが必要になってきます。
 
そこで登場したのが、幼い頃に誘拐されたという長男アダムで
こいつがサイコなキャラを全開にしてストーリーを引っ掻き回していきます。
さらに2代目(別キャラ)クリステル、執事アンダースの娘で
オーストラリアに追放されていたというカービー、
鳴り物入りでコルビー家に帰ってくる、強烈に嫌キャラな母ちゃん・ドミニクも
登場して、ますます話はぐちゃぐちゃに。
 
そして第1シリーズ同様、ラストの22話はカオス。
結婚式に、死体発見に
第3シリーズの引っ張りを大量に振りまいて終了するのでした。
 
もはや面白いのか、面白くないのかよくわからない第2シリーズでありました。
 
ワタクシが一番気になったのはカービーのファッション。
いつも趣味の悪い服を着ております。
洋服のシュミが悪い設定の役なので着ているとしか思えないのだが
カービー役の女優さん(マディソン・ブラウン)は監督に抗議したりしてないのだろうか?
むしろ衣装合わせの時に
「こんな服、きてるオーストラリアン、いるよねー」と
ノリノリで変な柄のワンピースとか着せて見せたりしてるのだろうか?
 
それとももしかして本当にあーいう洋服のシュミってことはある?
とても気になっております(どうでもいいかそんなこと…)
 
<シーズン3に続く・すぐ更新予定>
 

 

「ダイナスティ」ネトフリ100本チャレンジ 19 その① 

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ダイナスティ Netflix
ご無沙汰いたしております…。
最後にブログをアップしたのは夏のこと、でありました…。
 
あれから私は生活の糧を得るため家族のもとを離れて東京に出稼ぎに。
父ちゃんは必死に働いておりました。
おーい田舎のみんな元気か?
春には東京ばな奈買って帰るからなー
とすっかり出稼ぎオヤジの気分になって涙ぐむ毎日でした。
(ま帰ろうと思えば帰れない距離ではないですが朝が早い仕事だったので
東京でしばらくホテル暮らししておりました。今はホテルが安いので…。)
 
そういうわけで呑気に東京暮らしをしてたのですが
出稼ぎ中に懸命に働きすぎたのか、長引く自粛生活に
体が衰えているのか、数年ぶりに風邪ひいてしまいました。
「今熱でたら大変だ」と思っていたのに発熱して
すわコロナ?と慌てて抗原検査したり、PCR検査したりしましたが
単なる風邪でありました。
宿舎で2、3日熱出してうなったりしておりました。
 
つまり忙しく過ごしておって、なかなかネトフリチャレンジに
戻れずにおったのであります。
 
イントロが長くなりましたが「ダイナスティ」であります。
 
リメイクでありまして、オリジナルは81年に始まり、当時アメリカで
大人気だったそうであります。
日本ではそれほど話題にならなかったようですが…。
同時期にアメリカで人気だった「ダラス」もテレ朝が鳴り物入りで宣伝してたのに
そこそこだったように記憶しております。
 
あの頃、私が好きだった海外ドラマは
ジェームス・ガーナーの「ロックフォード氏の事件メモ」
名古屋章の吹き替えが情けない中年男感が出ていてよかった)
ロバート”冷血”ブレイクの「刑事バレッタ」(主人公のペットがオウムだった!)
「事件記者コルチャック」(ホラーな設定が結構テレビなのに怖かった)
あと「700万ドルの男」の1エピソードからシリーズに出世した
 
もっと子供の頃には「謎の円盤UFO」(ストレイカー司令官!)とか
「タイムトンネル」とか、SFものが好きでした。残念ながら
「プリズナーNO6」は未見ですが…。
 
あれ、なんの話だったっけ?
なんだか芋づる式にいろいろ思い出してしまいました。
すみません。「ダイナスティ」です。
 
 
ダイナスティ」2017年〜 アメリ
原作・制作 サリー・パトリック ジョシュ・シュワルツ ステファニー・サベージ
出演 エリザベス・ギリーズ グラント・ショウ ラファエル・デラ・フェンテ
 
 
要するに石油ビジネスを営む富豪家族の高慢ちきな娘ファロンと、
ビジネス至上主義のオヤジ・ブレイクを中心にした
ドロドロゴシップソープオペラであります。
 
二人のキャラは馬鹿馬鹿しいほど前時代的にカリカチュアされた金持ちで
長男がゲイだったり、ファロンがアフリカンアメリカンな運転手と付き合ってたりするのが
ちょっと現代に寄せたのかなと思えるくらいで全体に古臭い印象。
そこへブレイクの若い後妻にクリステルがやってきて
当然のように娘ファロンと対立。
クリステルは金持ちキャリントン家の裏側に当惑します。
しかしそのクリステルも中南米の方からやってきたワケあり女。
謎の甥っ子を連れてきて住まわせたりします。
 
復讐・誘拐・会社乗っ取り・犯罪隠蔽・情報リークと
ぐちゃぐちゃの愛憎劇が絡まり
すごいスピードでいろんな出来事が起こりますが
基本的に出てくるのは金持ちのクソ野郎か
金に釣られて集まるクソ野郎なので
誰にも感情移入はできなくてイライラします。
 
つまんねーなと思いつつ10話ぐらい見ていると
ブレイクの前妻にしてファロンたちの母親・アレクシスが出てくるのですが
これが実に悪役らしい悪役で
この人が出てきてから、こにくらしいファロンたちを応援したく
なってきて、話が面白くなってきます。
やはりあからさまな敵役が出てくるとドラマはわかりやすい…。
(心なしかファロンたちがいいひとになっているのも
プロデューサーたちが
「このままじゃ人気なくなる」と危惧したからかも。)
 
そしてファーストシリーズの最後の22話は火事。
いろいろありすぎのぐちゃぐちゃを
一気に燃やしちゃってる感は
よくわからないけど気持ちよかったです。
 
(とりあえずこの項2ndシーズンへつづく)

「アイリッシュマン」ネトフリ100本チャレンジ 18 

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アイリッシュマン Netflix
7シーズンにわたる「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」との辛く厳しい対決(?)を終え
ようやく「アイリッシュマン」にたどり着いた阿覧澄史でございます。
 
いやーずっと観たかったんですよね、「アイリッシュマン」。
監督がマーティン・スコセッジで、しかもテーマはマフィアもの。
さらにロバート・デ・ニーロアル・パチーノが出ていると聞き
否が応でも期待は高まります。
尺は209分。大作です。ーえ? 3時間29分?
 
ワタクシの持論として「映画は1時間45分を超えると冗漫」だと思っています。
大体2時間以上の映画は監督の意見が観客に押し付けられすぎていて
つまらなくなる可能性が高いからです。
(というかワタクシの集中力が2時間超えるとなくなるー子供か?)
 
しかし、「オレンジ・イズ…」なんて13エピソードを7シリーズだから
一話1時間として−91時間…。
これに比べれば3時間半見るなんて児戯に等しいではないか。
なんとなく安心して見始めました。
(…でも、途中で休んでいい?)
 
ーそれにしてもアレ91時間も観てたのか…。
ワタクシなんてヒマな人なんだろう?
 
 
アイリッシュマン」2019年アメリ
監督 マーティン・スコセッシ 脚本 スティーブン・ザイリオン
 
 
巻頭、老人ホームの移動ショットで
カメラは一人の老人に近寄ります。これがデニーロ。
このデニーロの語り、回想として映画が進行していきます。
まさに監督=デニーロ=パチーノという
下り坂の老人トリオ(他意はない)らしい切り方。
 
物語も1960年代のアメリカの話で、ケネディやジミー・ホッファなど
実在の人物が登場します。
スコセッジは丹念に時代を再現し、大人な仕事ぶり。
 
ホゲーと見惚れているうちに若いトラック運ちゃんだったフランク・シーラン(デニーロ)は
マフィアの一員になり、全米トラック組合委員長のジミー・ホッファ(パチーノ)に
紹介され、出世していきました。
とても長い長いスパンの、シーランの一生を網羅する映画には
3時間半はかかるだろうと納得。
 
映画があるべきポイントを掴んだ、破綻のない作品でありました。
それだけに、正直、観ていて中だるみはするのですが、
最後は観終わった充足感が残ります。
 
長い一生の映画だけに、デニーロたちは30代だったり、50代だったり
80代ぐらいの設定になるのですが、このメイクがすごくて
全然違和感がない。
 
すごいなあと思っていたら、これが全部デジタル技術による特殊効果でありました。
なんでも一台に三つ以上レンズがついたカメラを3〜4台いっぺんに回して
いろんな角度から役者を撮影して、CGでシワとか皮膚感をいじってるそうな。
技術の進歩はすごい。(金かかりそう)

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これがその特殊カメラだあ!    photo by Netflix
こんなのが昔からあったら、「ゴッドファーザーPARTⅡ」の
ドン・コルレオーネの若い時もマーロン・ブランド自身がやって
デニーロの出世も遅れたんじゃないかと思ってしまいました。
 
追記 親切なようで違和感ありありの日本語での字幕が随所に出てきます。
   これは日本通を自認するスコセッジの仕業なんでしょうか?

「オレンジイズニューブラック」ネトフリ100本チャレンジ 17  その②

「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」
ようやく今日見終わりました。
いやー7シーズンは長かった…
 
前回は4シリーズが始まったところまででしたが
あれから娘がZOOMでダンスレッスン受けはじめその接続係をやらされたり、
夏休みも学童クラブに行くのでその迎えやらされたり、
ロボットプログラミング教室への送り迎えやらされたり
忙しかったのであります。
(まあ、逆にそれしかしてないと言って過言ではないのだが…)
 
そう、それに
オリンピックも観なきゃいけなかったし…。
 
以前ご紹介したひまわりは、伸びるどころか
花が咲いて もはや枯れ、
先日種を収穫するとこまで行ってしまいました。
ほんとにグータラしてると月日の経つのは早い…。
(ひまわりもほっといたらほとんど種を鳥に食われ
収穫の時にはいいとこ三分の一ぐらいしか残ってなかったので
農業というより鳥の保護活動のようでありました)

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満開時のひまわり

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枯れて鳥に種を食われたひまわり


そんなことはさておき。
 
「オレンジイズニューブラック」4シーズン以降です。
前回マンネリというか、発展のなさに退屈を感じはじめておりました。
4シーズンのおんなじようなことを繰り返していて
(これがブログの間隔が空いた原因でもある…)
もうズルして飛ばしちゃおうかなと思いはじめた4シーズンの終わり頃
事件が始まり、物語が大きく動き出します。刑務所の暴動です。
(きっと作り手側も打開策を打ったのでしょう)
 
5シーズンは暴動編のようになり、刑務所の中は大混乱。
一応マンネリを脱し、面白くなってくるのですが
惜しむらくはカオスすぎて、女囚たちの目的がはっきりしなくて
ぐちゃぐちゃなまま終わったこと。
女囚と刑務所側の交渉とか、もっとカタルシスある感じに出来たのになあと
残念に思いました。
 
しかしこのドラマ、いろんな女たちがいろんなこと考えてて、
いろんな人生があるというのがテーマなので
それでよしとしたのでしょう。
 
囚人たちが人質にとった看守たちに「隠し芸大会」やらせると
コワモテの看守たちがホール&オーツの「リッチガール」歌ったり
二人羽織はじめたりするのは爆笑でありました。
 
5シーズンいっぱい暴動が続き、6シーズンでは暴動を起こした
登場人物たちが重警備刑務所に移って、
そこでのCブロックとDブロックの抗争に巻き込まれる話になったり
7シーズンでは刑務所運営会社が新たに作った移民収容所の話が
メインになったり、
視聴者を飽きさせないように目先を変えていっております。
 
後半は一応主人公・パイパーとアレックスのエピソードもありますが
もはや他の登場人物の話がメインになっています。
(だってパイパー面白くないし)
 
そして7シーズンも後半に差し掛かってくると(ここまで長いこと観ていると)
登場人物にも愛着というか、感情移入もしはじめ
バカなことばっかりしている女たちを許せるようになってきて
結構じわりとカンドーしたりするようになってくるのです。
 
そして最後は、途中もういいやと思っていたのに
終わるのが惜しくなってきてしまいます。
(終わってからメイキング番組まで観てしまった…。)
 
しかし、まあ、
見終わってよかった。
 
 
追記 (独り言)
テイスティのピスカテラの事件の結末、
3シーズンも引っ張ったんだから
もう少しカタルシスのある終わり方にして欲しかった。
曖昧さがリアルなんだろうけど…
池井戸潤の小説を見習ってほしい

「オレンジイズニューブラック」ネトフリ100本チャレンジ 17  その①

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オレンジイズニューブラック Netflix
ようやく梅雨が空けそうになってきて
これから暑い日が続きそうな今日この頃ですが
いかがお過ごしでしょうか。
 
またブログ更新の間隔が開いてしまいましたが
もう諦めたわけではなく(ちょっと弱気にはなっておりますが…)
ちゃくちゃくと、ネトフリ観ております。
今さしかかっておるのは
「オレンジ伊豆ニューブラック
あ、変換ミス。
「オレンジイズニューブラック」であります。
 
…ほんとにありそうなみかんだ。
 
アメリカの女性刑務所の話でありまして、
ワタクシなどはつい「女囚さそり」とかを思い出して
梶芽衣子の「恨み節」を歌いそうになってしまいますが
このドラマはタランティーノは関係ないので基本的に明るいです。
女囚なんだから明るすぎる気は致しますが
これもお国柄か。
 
 
「オレンジイズニューブラック」2013年〜2019年 アメリ
制作総指揮・企画 ジェンジ・コーハン
出演 テイラー・シリング ローラ・プレポン
 
友人とオシャレなせっけんを売る事業を始め、結婚も控えて
幸せいっぱいの裕福な白人女性・パイパーは、
10年前の麻薬密輸が突然バレて懲役刑を宣告される。
うろたえて大騒ぎした末に収監されたのは、短期刑の女性が入る
リッチフィールド刑務所。
そこは黒人・白人・ラテン系など雑多な人種かつ
一癖も二癖もある女性犯罪者の巣窟だった。(刑務所だから当然か)
 
ロシアのボス女に恫喝されたり、黒人女に求愛されたりして
ビビるパイパーだったが、そこには元恋人(レズの時の)アレックスがいた。
彼女にたらしこまれて麻薬の運び屋をしていたのだ。
10年前の出来事を密告したのはアレックスなのか?
疑心に包まれるパイパー。
そしてそんなことに関係なく、リッチフィールド刑務所の狭い社会は
看守達も巻き込んでいつも大騒ぎであったー。
 
以上が冒頭部のあらすじであります。
 
女優陣がみんな迫力あり、リアリティがあっていい。
ちょっとコミカルな方へ流れ過ぎのきらいはあるけど
露悪趣味丸出し路線の娯楽ドラマなのだから、それが正しいのでしょう。
 
あまり美しいとは言えない、ナマな裸がたくさん出てきたり
人種差別発言オンパレード、スラングっぽい言葉盛り沢山
麻薬にオカマに喧嘩、新興宗教なんでもあり
だんだん主役パイパーの比重が少なくなって、群集劇と化してくるのは
そっちの方が面白いのだから致し方なしというところ。
 
犯罪ドラマというより、全員悪人なハードなファミリードラマ
という感じで
キレイキレイなラブストーリーに飽きたら
この作品見るのもいいかと思います。
 
ワタクシ、今ようやく3シリーズ観終わったところでありまして
まだ4シリーズ残しております。
しかし、結構お腹いっぱい。
もう大体観たからいいかなと思い始めています。
 
「もう3シーズンもやったからいいでしょ。
作品の使命は果たして、もうやり尽くしたよ。
続けることが全てではなく、終わる勇気も必要だよー」
テレビに向かって説得してみましたが聞き入れられず(痴呆老人か)
4シリーズ目が有無を言わさずに始まり、刑務所を脱走した囚人達が
湖で泳いでおります。
 
そうか、全てやり尽くしても、マンネリになっても
パイパーがどんどん性格悪くなっても
人気が有る限りあなたはやり続けるのですね…。
そうですよね。テレビってそういうものだ。
 
くだらない妄想が延々続いてしまいましたが
この「ネトフリ100本チャレンジ」は一応「全部見る」というシバリを
課しておるので、ワタクシ見続けます。
(一体なんでこんなことしてるのか分からなくなってきたが…)
 
<この項続く>