配信ドラマ探検記 昭和オヤジがネトフリ・アマゾン・その他の密林を征く

配信ドラマを見て批評したり感想を言ったり、ツッコミを入れたりボケたりします。

「アンオーソドックス」ネトフリ100本チャレンジ#60

アンオーソドックス Netflix
GWも終わり家に篭りネトフリ見ていたら
ワタクシ自然に古いCMソングを口ずさんでおりました。
「テーレビばっかり見ていると
いーまにしっぽが生えてくる
そーれはたいへん、たいへんだー
しっぽが生えたら どうしましょ?」
 
年取ると大昔のディティールが蘇ります。
だからどうしたと言われると困るのでありますが
まあ、
そういうしょーもない毎日を送る阿覧澄史あらんすみしでございます。
 
 
ネトフリチャレンジ60
「アンオーソドックス」
2020年 米・独 (リミテッドシリーズ 1時間×4話)
原作 デボラ・フェルドマン
脚本 アン・ウインガー アレクサ・カロリンスキー
監督 マリア・シュラーダー
出演 シラ・ハース アミット・ラハヴ ジェフ・ウイルブッシュ
 
 
ワタクシ、ドラマを見るときは「できれば予備知識なく見始めるのがよい」と
思っておりましたが、このドラマをその伝で見始めて
ちょっと混乱いたしました。
さいしょ時代も場所もわからず、ジャンルもわからず
どう見ていいかわからなかったからであります。
 
え?あの橋はブルックリン?マンハッタン?
ニューヨークなのか?
でもなんか黒服髭面でユダヤ人風のヒトたちが
ごちゃごちゃやってるけど、誰も英語喋ってない。
アメリカじゃないのか?
んー。大体これは「現代」の話なのだろうか?
そしてシリアスものなのか?
「結界」があって外出できないとか言ってる気がするから
ひょっとしてSFで近未来のハナシ?
 
頭の中が「???」で一杯になりつつ見進めてまいりますと
若い女(人妻?)が失踪を図って
なぜか飛行機でベルリンに逃亡いたします。
なんだこりゃ?
 
たまらずネトフリを一旦ポーズして調べたところ
ニューヨークのウイリアムスバークという街に
昔ながらの生活習慣で暮らし、
イディッシュ語ユダヤの言葉)を話す
超保守的ユダヤ人が住む地域があるそうで
ここに住む人々はハシディック(超正統派ユダヤ人)と
言われているということでありました。
このヒトたちの話なのかとようやく理解した次第であります。
「刑事ジョン・ブック」を見てアーミッシュのことを知ったように
ワタクシはこのドラマでハシディックという人々を
いいトシして初めて知ったのでありました。
 
そうか!ニューヨークが舞台のドラマに
ユダヤ人の昔ながらのラビとかよく出てくるのはそういうわけなのかあ。
今頃合点がゆくワタクシでありました…。
皆様はご存知でありましたでしょうか?
 
そういうわけで時代は現代、
舞台はニューヨークのサウスウイリアムスバーグのユダヤ人社会で
主人公エスティは超保守的なユダヤ人コミュニティから逃げる人妻。
オーソドックス(超正統派)の中の「アンオーソドックス」である
という話でありました。
(やれやれ。ようやくここまで来た…)
 
巻頭ゴタついた(ワタクシがですが…)「アンオーソドックス」でありますが
ハシディックの儀式・生活習慣が結構丁寧に描かれていて大変興味深く、
時代錯誤的にも思える家族主義・女性蔑視な習慣は
大昔の日本にもおんなじようなことがあったような気がいたします。
この時代にあっても世界のどこかには
まだ差別され、虐められれる女性がいるということでありましょうか。
 
ただドラマとしては、原作の制約があるのか、
モデルになった人の行動をなぞるためなのか分かりませんが
もう少し面白くできたような気もいたします。
(もっと「主人公が追手から逃げる」とか、「反撃する」とか、
ダンナともっと揉めるとか、「やりたいこと」に対しての熱い思いを
もっとアピールするとかetc)
 
「社会派ドラマだから事実をありのままに見せる」だけでは
面白くならず、見てもらえません。
こういうドラマの面白い部分、「理不尽な差別による怒り」
とそれを「打ち破る」カタルシスを効率よく見せるためには
それなりのデフォルメも必要なのではと思う次第であります。
 
…なんかもっともらしいこと言っておりますが
ワタクシの感想としては
「面白かったけど、いまいちあざとさが足らず」というところでありましょうか。
 
 
今回4話リミテッドシリーズということであっけなく見終わりましたが
次回、4シーズン50話たっぷりの「グッドガールズ:崖っぷちの女たち」に
挑戦でございます…。