配信ドラマ探検記 昭和オヤジがネトフリ・アマゾン・その他の密林を征く

配信ドラマを見て批評したり感想を言ったり、ツッコミを入れたりボケたりします。

「マリッジ・ストーリー」ネトフリ100本鑑賞チャレンジ#48

マリッジ・ストーリー Netflix
みなさまいかがお過ごしでしょうか?
「オヤジのアタマなんかシラガだろうが緑だろうが
七色だろうが誰も気にしないからなんでもいい」と
今まで頭髪に関しては全く頓着してこなかったワタクシでありますが、
このたび人生初の白髪染めをいたしました
阿覧澄史あらんすみしでございます。
 
 小学3年生の娘ハー子の授業参観に行くことになり
父親があまりにもジジイに見えると
隣の席のクソガキが
「ハー子のパパ、じーさんじゃん!」とか言って
からかって娘を泣かせたりして、
その後学校から帰ってきたら
「パパ嫌い。学校来ないで」
なんて泣きながらこども部屋に走り去って
父子の間に深い溝が生まれるー
 
とか妄想が膨らんでしまったのであります。
 
よく考えるとこども部屋はウチにはないので
「泣きながら部屋に走り去ったり」は
できないのでありますが、
なんか発作的に床屋で白髪染めをした次第でございます。
 
 とはいえ、流石に急に真っ黒い髪になるのは
気が引けて、床屋のオヤジには
「白いとこ少なくしてまだらに染めて」
と頼んだのでありますが
完成したら不自然なくらい真っ黒黒すけになっており
ワタクシちょっと絶句してしまいました。
 
床屋のオヤジは半笑いで
「思ったより染まっちゃいました」とか言っており
ワタクシは
「染まっちゃいましたじゃねーだろ!」
と思いましたが、やり直すのも面倒くさいので
そのまま帰宅いたしました。
 
 うち帰って改めて鏡で見ると
肉体的加齢に比べて黒々とした髪は
違和感ありまくりで
これで授業参観行ったら
「ハー子の父ちゃん変なアタマ!」と
娘が余計イジメられちゃうんじゃないかとも思いましたが
授業参観は特に何事もなく終了したのでありました。
 
やっぱりオヤジの髪の毛なんて誰も気にしちゃいねーよ!
(娘も。)
 
今度授業参観のときは金髪にしてやる
とか密かに決意するワタクシでした。
 
おっと。しょーもないハナシが長くなってしまった…。
 
 
ネトフリチャレンジ48
「マリッジ・ストーリー」
2019年英・米
監督・脚本 ノア・バームバック
(映画)
 
 
「マリッジ・ストーリー」、タイトルは「結婚物語」で
ありますが、端的に言って離婚のハナシであります。
舞台の演出家と映画女優の夫婦(と幼い息子)が
離婚が決まってから離れていくまでの離婚物語。
 
…え?ここまで書いて思ったのですが
これってすごいネタバレ?
 
冒頭に夫のいいところ、妻のいいところに関する
ナレーションと映像のモンタージュが続き
そういうハッピーなハナシかと思っていると
互いのいいところを言い合う「離婚時の精神分析治療」
だったことがわかるという構成が洒落てるから
ほんとは離婚のハナシなんて知らなきゃインパクトが
あるのかもなあ。
 しかし「一言でどんな映画?」と聞かれて
「離婚の映画」と答えないわけにはいかないので
まあ「セーフ」ということにいたしましょう。
 
 このハナシは監督の体験をもとにしたものと
どっかに書いてありました。監督のノア・バームバック
前作の「イカとクジラ」もモデルが作家と映画評論家の
両親だそうですから、ニューヨークのギョーカイ体験を
映画にするヒトなのでありましょう。
 NYのギョーカイもので言うとウディ・アレン
「アニーホール」とか「マンハッタン」に近いので
この監督をウディ・アレンと比較する向きがあるようですが
作風はそんな似てないような気も致します。
 
 ウディ・アレン的な計算したコミカルさと言うより、
辣腕弁護士とかがからんできてヒボーチュウショウ合戦になったり
西海岸と東海岸を行ったり来たりしたり救いようのない騒ぎとなる
ギョーカイ離婚を普通に描写するだけで
ある意味コミカルだったりします。
 きっとその離婚の大騒ぎを単純にありのまま描いたのが
この映画の面白いとこかもしれません。
 
 特にワタクシなんぞはどうしてもお父さん側の目線で
見てしまうので、
どんなに子供を愛していてもお母さんのようにはうまく扱えず、
子供もあまり懐いてないのが妙にリアルだなと思いました。
 
 離婚というのは決着がついても
誰もハッピーにならないものでありまして
夫も妻も子供も周りの人々も
モヤモヤっとした想いを残したままのような
気がいたします。
 だからこの映画も登場人物は皆ハッピーにならず
見てる側にカタルシスもなく、決着もつかないような
気持ちにさせるのでしょう。
ドラマとしてちゃんとしていないとこがいいという
不思議な映画でありました。
 
最後に出てくる歌「be alive」が素晴らしいです。
(やはりドラマとしてちゃんとしてなくて良い)