配信ドラマ探検記 昭和オヤジがネトフリ・アマゾン・その他の密林を征く

配信ドラマを見て批評したり感想を言ったり、ツッコミを入れたりボケたりします。

「ボクらを見る目」ネトフリ100本鑑賞チャレンジ#58

ボクらを見る目 Netflix
春だというのに家に篭り
ひたすらテレビ見ている阿覧澄史あらんすみしです。
ワタクシ的にはネトフリチャレンジを遂行するという使命感が
あるのでありますが、家人には理解されず
「仕事しろ」というプレッシャーが日増しにきつくなってきたので
目線を逸らすべく、
ワタクシ企画・プロデュースによる「鬼怒川一泊家族旅行」に
行ってまいりました。
(そんなことしてないで仕事しろともいう)
 
北千住から東武の特急に乗り、
新今市から蒸気機関車大樹号で鬼怒川温泉へ。
朝晩温泉入ってバイキングの夕朝食を食べ、
というリーズナブルかつ退屈しないスペシャルプランであります(自画自賛
 
SLは乗ってしまうとただの「遅い列車」にしか感じなかったり、
宿代ケチったので窓外は隣の壁しか見えず昼でも真っ暗な部屋だったり
という家族からのクレームもありましたが
概ねご満足いただけるツアーだったのではないでしょうか。(再び自画自賛
 
今回生まれて初めて東武ワールドスクエアにも行きました。
まあ、言ってみれば世界の名所旧跡の25分の1模型が並んでるだけで
ありますが、これがまたなかなか興味深いところでした。
1993年の開園から、大幅なリニューアルもなかったため
30年前の世界の観光地がそのままの状態?で残されている感じで
世界の旅に加えてタイムトリップもしている気分になれます。
 
特に5年ぐらい前に火事で焼けたノートルダム寺院首里城
焼ける前の姿を残しておりますし
何より9・11テロ前のワールドトレードセンターが
そのまま残っております。
素晴らしい。
設備投資に金かけなかったことが良かったみたい…。
 
とにかく家族も大満足の旅行であリました。
これによりワタクシは「家族のボクを見る目」をかわしたという、
そういうマクラでございました…。チャンチャン。(関連うす!)

東武ワールドスクエア ワールドトレードセンターのツインタワー

 
ネトフリ完全チャレンジ58 
「ボクらを見る目」When they see us
2019年 アメリカ(リミテッドシリーズ 4話)
脚本   ジュリアン・ブリーズ ロビン・スウィコード アッティカ・ロック
出演   ジャレル・ジェローム アサンティ・ブラック カリール・ハリス    
 
1989年4月19日の夕刻、
どういうわけかハーレムの黒人ティーンエイジャーたちが
浮かれてセントラルパークに集まって行くところからドラマが始まる。
若者たちは奇声をあげ、公園の通行人に絡み、暴力ふるったりして
その数を増していく。
祭りのような賑やかさに、わけも分からずついて行く若者もいるようだ。
(この行為は当時「ワイルディング」と呼ばれて、良識者の眉をひそめさせたと言う)
 
その異様な雰囲気に居合わせた人々は怯え、通報を受けた警官たちが現れる。
黒人の若いやつに警官は容赦しない。
有無を言わず追いかけ回し、ぶん殴り、逮捕する。
その中に、ただついてきただけの5人の少年がいる。
のちに「セントラルパーク・ファイブ」と呼ばれるレイプ事件の容疑者たちである。
 
警察は同夜に同じセントラルパーク起きた白人女性のレイプ事件を
この浮かれた黒人の少年たちの仕業であると断定、
未成年である5人を保護者の立ち合いなく事情聴取し
「いう通り話したら帰してやる」と長時間拘束、
虚偽の自白をさせ、事件をでっち上げる。
 
5人はその夜、公園に行ってしまったばかりに
その後、長い長い時間を事件に費やし、人生を狂わせてしまうことになる…。
 
 
なんか、つい力が入っていつもより丁寧に導入部のあらすじを
書いてしまいましたが
これはアメリカでは有名な事件のドラマ化だそうであります。
 
ほぼ全編手持ちのドキュメンタリータッチで
画面にリアリティと緊迫感があります。
特に警察が取り調べをでっち上げていく過程は
つい怒りがこみ上げ、自分だったらどうするかとか考えたり
時々見るのが辛くなって止めてしまうほどでありました。
製作者の「怒り」を感じます。血圧が上がります。(大丈夫か?)
 
 
それにしても警察をここまで悪く見せて大丈夫なのだろうかと
余計な心配してしまいます。
(実際のNY市警とか検察官とか怒るよな。フツー。)
明白な事実や証拠に対して検察も警察もあからさまに無頓着に描かれております。
89年当時の政治状況やら、黒人に対する人種的偏見とかも
あったにしてもひでーなと思うくらいであります。
 
特に捜査の指揮を取るフェアスタイン検事はあからさまに悪役に描かれていて
都合が悪くなると「被害者は死と戦ってるとこだ」と
真実の追求とカンケーないこと言ってごまかしてばかりいます。
(この検事役の女優さんが娘を大学に裏口入学させようとしてリアルに
捕まったフェシリティ・ハフマンだったりする…)
 
まあ言うなれば日本でもよくある冤罪事件なのでありますが
ジジイがコーフンして血圧が上がるくらいよく出来ておりました。
 
しかし、監督の語りたいフォーカスは他のことにあるようです。
普通の話なら前後編もしくは2夜連続ぐらいで収まるであろうこの話が
4話ものボリュームがあるのは
事件によって狂わされた若者たちの人生を描きたかったのでありましょう。
ネタバレになるやもしれませんが、判決後の若者たちの人生が
結構長い時間描かれておるからであります。
そして何の救いもなく終わるかと思われた頃、事件が展開を見せると言う構成は
見るのが辛いとこがあった分なかなか感動的でありました。
 
仕事に疲れて帰ってきたウイークデーに見るのは辛いけど
体力があり暇なGWとかにまとめて見るにはおすすめの作品です。
 
今回なかなか政治的なブログでしたね。え?こんなの政治的に入らない?
…失礼いたしました。次回「グレイス&フランキー」予定です。
 
追記1 トランプって本当にやなやつだなと思いつつ、でもホント嫌われてるんだなと
    感じました。
 
追記2 主人公の一人の継母役で「オレンジイズニューブラック」の「ダヤ」こと
    ダーシャ・ボランコが出てきて主人公をいい味でいじめます。懐かしかったです。