配信ドラマ探検記 昭和オヤジがネトフリ・アマゾン・その他の密林を征く

配信ドラマを見て批評したり感想を言ったり、ツッコミを入れたりボケたりします。

「ダーク」ネトフリ100本チャレンジ#20

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DARK Netflix
先日、家族で買い物に行くため妻の運転する軽自動車に乗っていました。
カーステレオ(今でもカーステレオっていうのか?)からは
大体いつもPerfumeが流れており、娘ハー子(仮名・6歳)はいつも
てきとーな歌詞で一緒にくちずさんでおります。
その中で「未来のミュージアム」という曲があるのですが
ワタクシが「通販の曲みたい」だというと
父の慧眼(?)に娘が喜んでおりました。
(サビの♪ ミュージアムミュージアムというところが
♪ ジャーぱねっと、じゃぱねっとと似てる?)
 
それで調子に乗って
「小学生の時、音楽の時間に『ペルシャの市場から』という曲を聴いていたら
『♪ ゆーゆーゆーずき 食べましょう』というCMの曲に似てる!と
クラスで評判になった」
という話をしたところ、娘は両方とも知らない(当たり前か)のに
なぜか激しくウケておりました。
 
ワタクシの小学生時代というと
もう50年ぐらい前の話ですね。愕然…。
 
 
「ダーク」2020年 ドイツ (3シーズン)
出演 ルイス・ホフマン オリバー・マスッチ
   ヨルディス・トリーベル
原作(Create) バラン・ボー・オダー ヤンチェ・フリーゼ
監督 バラン・ボー・オダー 脚本 ヤンチェ・フリーゼ他
 
ネトフリ100本チャレンジようやくの20本目は
ドイツ製作の「ダーク」であります。
早速いつものように予備知識なしで見始めました。
7、8年前に見ていた北欧ミステリー(「キリング」をビデオ屋で借りて見てました)に
作品のトーンが似ています。いいですねー。ミステリー好きです。
 
陰鬱な森の向こうに原発の原子炉の煙、
失踪した男子生徒の張り紙。
主人公ヨナスの父ちゃんが首を吊り
意味ありげな洞窟に向かう子供たち。
 
…しかし、画面も物語も登場人物も考え方もみんな暗い。まさに「ダーク」。
ずっと脳天気な「ダイナスティ」見てたので
あまりの世界観の違いにめまいを感じつつ、見進めて行くと
だんだんすごいことになってきます。
洞窟を通り抜けるとそこはー
「え?!」
 
改めてネットフリックスの作品紹介を見てみると
 
ドイツの小さな田舎町で起きた子供の失踪事件をきっかけに
ほころび始める4家族の絆と暴かれる暗い秘密。
3世代にわたる奇怪な謎の真相が、今明らかになる。
 
だし、ジャンルも
「ドイツ・TVミステリー・犯罪テレビ番組・ドラマ」
になっているが、どうもミステリーではないらしい。
 
明らかにSFじゃん。タイムトリップもの。
(「バックトゥフューチャー」と同じジャンルだが
ここまでトーンが違うのも珍しい…)
 
ひょっとしてこれを「SF」と書いただけでネタバレになるんでしょうか?
まあいいや。書いちゃったし。
 
最初の方のあらすじとしては
 
父ミハエルの自殺にトラウマを抱える少年ヨナスは
町外れの洞窟で奇怪な出来事に会う。
その時一緒だった隣家の少年ミッケルが失踪。
ミッケルは気がつくと33年前の街にいて途方に暮れる。
ヨナスもまた誰かに導かれるように洞窟にタイムトンネルを発見、
33年前の世界を体験する。
 
という感じでしょうか。
この辺から現代にいる4家族と、33年前の4家族が交互に描かれて
ぱっと見ではだんだん人物が識別できなくなり、
ストーリーが分からなくなってきます。
 
仕方ないので一旦ネットフリックスを止めて
「人物相関図」というか「家系図」を作りました。
(「ミハエルの息子はヨナス」とか)
これぐらいしないと理解できなくなってしまうのであります。
…なんでこんな苦労までしてみなくちゃいけないのか
よくわからないが。(面白いけど)
 
ただ、キャスティングは見事です。
現代と33年前の同一人物が一致するような
「(なんとなく)似ている」役者が振り当てられていて
キャスティングディレクターはさぞかし苦労しただろうなあと感心しました。
 
こんな作品撮るような監督は絶対性格細かいヒトだから
せっかく似てる役者連れてきても
「身長があと2センチ欲しいな」とか
「似てるけど芝居が下手」とか文句つけられて
苦労したに違いない…。想像ですが。
 
さらに舞台はおじいさんの代の時代、66年前(1953年)にまで
遡り、時間旅行する人物も増え、見てる方はまた混乱。
そしてヨナスが今度は未来(2053年)へ行くー
というところで第1シーズンが終わります。
 
おもしろい。面白いけど、みるのが大変。
ちょっと油断してると人間関係が分からなくなり
なんで怒ったり泣いたりしてるのか理解できなくなってしまうのです。
(正直、理解できないシーンもたくさんあったような…。)
 
そして第2シーズン。
現代(2020年)過去(1986年)未来(2053年)が並行して描かれ
さらにもっと過去も登場。
未来を変えようとするヨナスと、時間を行き来する謎の勢力のたくらみー
最初のエピソードからすると想像もしなかったような
壮大なストーリーが展開していくのであります。
(第3シーズンには時代どころか、空間まで超越しちゃうのですが
詳しいことは書けません…)
 
とにかくラストまで見ました。
タイムパラドックスの処理とか、わざとぶつ切りにして難解にした構成とかは
これでいいのかなあとは思いますが
チャレンジャーで見応えのある作品でありました。
 
時間の流れと人の想いがリアルに感じられるような
肌触りのあるSFという感じが面白いと思いました。
 
夕月かまぼこのCMの歌は33年前も流れていたのだろうか?
(どうでもいいシメでこの項終わり)