配信ドラマ探検記 昭和オヤジがネトフリ・アマゾン・その他の密林を征く

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「今際の国のアリス」ネトフリ100本チャレンジ 16

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今際の国のアリス NETFLIX
「全裸監督」の新シリーズも配信されたようで
気になりますが、そっちを見るような余裕のない阿覧です。
 
ネトフリ100本チャレンジの第16弾は
ネットフリックス日本制作で漫画原作のゲームものだと
聞き及んでおりますが、果たしてー。
 
今際の国のアリス」2020年日本(制作ROBOT)
1シリーズ 8話
監督・脚本 佐藤信介 脚本 渡部辰城 倉光泰子
出演 山崎賢人 土屋多鳳 金子ノブアキ
 
 漫然と生きていたゲーマーが、 友人2人と迷い込んだ異次元の東京。
そこで次から次へと理不尽なゲームを突きつけられた彼らは、
生きるか死ぬかの戦いを強いられる。 (Netflixより)
 
山田悠介の小説(「リアル鬼ごっこ」など)から、
GANTZ」「ライアーゲーム」などの系列の
「謎の絶対者から命を賭けたゲームを強いられる」パターンの
ゲームものですな。
「バトルロイヤル」などもこの範疇でしょう。
 
ドラマの内容もさることながら、インパクトが強かったのが
第1話でいきなり出てくる「人のいない渋谷の街」。
 
テレビだと、大袈裟にせずにミニマムに処理したり
ロングショットをワンカットだけ合成で作って誤魔化しますが
ネトフリで全世界公開となると
「真っ向から勝負!」みたいに、無人の街をこれでもかと
ドーンと出してきて圧倒されます。
 
どうやって撮ったのだろうかと
ワタクシ、話そっちのけで考えてしまいました。
 
この撮影を本当にやろうとしたら
まず警察に「道路占有許可」を取らなきゃいけないでしょうが
こんな大掛かりな撮影の許可が下りるとは思えません。
よしんば許可が取れても眠らない街渋谷であります。
深夜でも道路を全て封鎖し(見えないところに人止めチーム全部配置)
あたりのビルというビルに話を通し、
歩道も人止めして…(渋谷の酔っ払いなんて誰も言うこと聞かないだろうし)
なんてできるはずはない。
あとは実物大のセットだ!
 
と思っていたら、ほんとにセットでした…。
 
栃木に「足利スクランブルシティスタジオ」というのがあり
渋谷駅前を寸分違わず再現しているというのです。
 
もちろん再現してるのは地面近くだけで、ビルなどは
実写を合成してるのですが、
CG技術の進歩もあり、全然違和感がありません。
(後の話に出てくる猛獣のCGだけは違和感あり…)
 

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足利スクランブルシティスタジオ  T.S.C.P
カマシ」にまんまと乗せられて一気に観た「今際の国のアリス」ですが
「全裸監督」のときも書きましたが、
やはり全編ネトフリイズム。
スタイリッシュな映像と美術。スピーディな展開。
ヴィジュアルはあくまでダークで、アウトローな犯罪っぽさ。 
そして何にもまして重要(だと多分ネトフリの担当者が考えている)なのが
音楽のインパクト。これは日本の映画・テレビの音楽の付け方と
明らかに違う気がします。
 
商売としての部分はよくできていると思いました。
面白かったです。
でも話自体の大枠は子供っぽかったり(そういう原作だからだけど)
芝居のあまりうまくない役者にそのままやらせてたり
感動させようとしているシーンの論理がよくわからなかったり
本質的なところで物足りない気がしました。
(次のシーズンではシナリオ設定もう少し妥協せずに頑張って欲しいです!)
 
 
追記① 第2話のマンション廊下でのアクションシーンは秀逸でした。
 
追記② 刺青の男・ラスボス佐村が回想で
だれも見ていないホームページにわけのわからないブログを書き続けるシーンを見て
「あ、これオレみたいだ」と思ってシンパシーを感じてしまいました…。